DTM 初心者講座
No.023 〜 作曲家は、みんなどうやって曲を作っているのだろうか? 〜
初心者のための作曲まめ知識(機材編 後編)
DTM初心者講座第21回目は、DTMとは切っても切れない関係。「作曲」に関して、割りとまじめに、独断と偏見でつぶやきたいと思います。
「作曲」と言っても、かなり分野が広いですので、何回かに分けて、以下の項目に関してつぶやいてみたいと思います。
①「まえ書き」
②「コード」や、「コード進行」
③「メロディー」
④「アレンジ」
⑤「歌詞」
⑥「機材環境」に関して、筆者の思うところを書いてみようと思います。
⑦「その他まとめ等」
さて、今回は、前回の「機材環境(前編)」に引き続き「機材環境(後編)」に関して、筆者の思うところを書いてみようと思います。
当教室に、例えば体験レッスンに来ていただいた生徒さんの作品を、よく聴かせていただく機会があります。
皆さん独学で作った作品などを、恐る恐る聴かせていただいた後、「良くなるアドバイスを下さい」と言われる訳ですが、わたしの返答は、だいたいの場合が同じで、まず「簡単に質を上げたければ」音源(ソフトウェア音源など)をより良いものにし、ミックスソフト(EQ,リバーブ,コンプレッサー)も、より専門的なメーカー(例えばWAVESなど)の質の高いものを使用することと答えています。
いわゆる、もともとの音素材と、その音質調整の部分。この2つの行程を底上げするということです。
ちなみに、DTMのソフト(CUBASEやProToolsなど)には、最初から、音源も、ミックスの機能も付属しています。しかしながら、それらは簡単に言うと、「おまけ」であると考えているからです。勿論、中にはとっても有効なものもあるわけですが、やはり、外部で専門のメーカーが実際にあり、それこそDTMソフトの倍以上の価格がするくらいですから、「おまけ」であることもいなめません。
同じMIDIデータでも、鳴らす音源の質が高く、また音質の調整に関しても質が高ければ、同じ労力なのに、結果はきっと3割か4割か、それくらいの違いが出てくるように思います。
作品を聴かせる相手が音楽家であるならば、メロディー自体のなどを切り取って評価が可能ですが、特に一般的な方に聴かせる場合は、そういった分かりやすい部分を、ざっくりなイメージで捉えますから、結果は言うまでもありません。
これがまさに「簡単に質を上げる」という表現になっているわけです。
なので、筆者も機材にこだわる気持ちこそ、人並み程度かそれ以下と考えているものの、音源や、ミックスソフト、マイク、スピーカーなどに関しては、プロの作家さん達が使っているものと足並みを揃えるようにしています。
中には、何十万もしてしまうものもたくさんありますが、せっかく作った自分の作品。そんなつまらない、簡単なことで差がついては、それこそつまらない。
そんな想いがあるからです。
しかしながら、ここからがむしろ本題ですが、本当に大切であり、また大変なのは、簡単に質が上がらない分野の質を高めることです。
メロディーを筆頭に、アレンジ、歌詞、耳コピ、オーケストレーションにいたるまで、本当の現場で、例えば演奏家を前にして、作編曲家が求められる知識や技術レベルは、そう簡単には手に入りません。それこそ、5年10年やり続ける努力をして、やっとスタートに立てるくらいかな、、そして、そこから一生かけて育てていく。これは本当に断言できます。
仕事。プロ。作曲。とはきっとそういうものだと思うので、こうして生徒さんにレッスンをしている筆者自身も、まだまだ新人の気持ちで常に優秀な作品から学び、優秀な先人を意識し、常に上を見て向上し、それこそ日々悩んでいるわけですから、その本筋は忘れないで欲しいというのが、わたしの考え方であり、作家としての思想かもしれません。
プロになる方は特に、趣味の方にもだんだんと、そんなことを伝えていけたら嬉しいです。
以上、作家視点から見た、機材環境編でした。
よろしければ、ご参考になさって下さい。